82.5%の人が震災時に困ったこと

震災後に最も問題に上がる「生活用水」の問題

2011年に起きた東北大震災や2016年4月に起きた熊本大震災など、現在日本全体で地震による被害が相次いでおります。震災後の避難生活で問題視されている多くが、水の確保であることが右の図より見て取れます。
飲み水はもちろん、普段は意識せず使用しているトイレや、洗濯、体を洗うことも余儀なくされていることが顕著に挙げられています。

震災のとき、どんなことでお困りになられましたか?

1位 飲料水・食料・粉ミルクの確保 82.5%
2位 電話がつながらない 81.4%
3位 生活用水の確保 71.5%
4位 交通の寸断・マヒ
57.8%
5位 建物の危険度が判断できない 38.6%
6位 家族・親類・知人などの安否がわからない 29.6%
7位 各種のの救護情報の不足、問い合わせ先がわからない 17.9%

出展:「阪神淡路大震災の記録 別巻:資料編」(ぎょうせい 1996年)

被災して初めて分かる水の大切さ

常に避難時に必要な量の水を持ち歩くとなると2Lペットボトル5本分となり、とても持ち運ぶにはかさばる量になります。また、9Lとなると生後5か月ほどの赤ちゃんを運ぶのと同じ量になりますが、震災中は補正された道路を歩けるとは限らないので、普段よりさらに体力を奪われることになります。

被災地(熊本)での水に関するエピソード

冷蔵庫に残っていた水でしのいだ
下水道や浄水場が停止するため水道の水が使えず、給水車が来るまでに2~3日ほどかかった。
人間が1日に必要とする水の量は3リットルとされているので、3日分にすると9リットル、2Lペットボトルに換算すると3日間で1人約5本も必要なことがわかる。ただし、実際には普段からそこまで備蓄していないため冷蔵庫に残っていた水でしのいだ。
 
重労働だった水運び
飲料水・生活水を確保するために、ポリ袋に水を入れて水を運んだ。マンションの高層階に 住んでいたが、安全のためにエレベーターが止まっていたので水を運ぶのが大変だった。
 
水がないことでの悪循環
飲み水ももちろんだが、生活排水・特にトイレの水の確保に苦労した。仮設トイレや外でするのが嫌だったし、水もたくさん必要だったので水をあまり飲まないようにしていたら、エコノミークラス症候群になるという悪循環が起きてしまった。